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歴史講演会
三重の城~その特徴と見所

 5月16日(土)采女城跡保存会の主催による歴史講演会が開かれ、伊藤徳也先生が「三重の城~その特徴と見所」と題した講演会がありました。
 先生は教職の傍ら、中世城跡研究家として三重県下の城跡を調査研究しておられ、その成果を2008年に「再発見 北伊勢国の城(379ページ)」として発表されておられます。 先生には6年前の平成21年に、「北伊勢の城と采女城」と題してご講演をしていただいていますが、今回はその後に調査された志摩・南伊勢、東紀州、奥伊勢・松坂の城についてその特徴と北勢地方との違いなどを話されました。

 北勢地域の城は一般に方形の廓を土塁で囲み、①土塁の高さは1~2m、②複数の廓で構成され、③たくさんの堀を巡らせ、④技巧的な虎口があるのに対し、南に行くにしたがって①方形が崩れ、②土塁が少なく、低くなり、③堀は横堀が減り、堀切が多くなる、④小高い、急傾斜の山に築かれる、といった違いがあるそうです。それら一つ一つを現地に行き、ご自分の足で調べ上げた写真と地図を使って分かりやすく話されました。
 また、四日市市内に残る大規模な城は保々西城型と采女城型の2タイプに分けられ、采女城と同じ型であった伊坂城跡が新名神高速道路工事で消滅した今となっては、采女城跡は極めて重要な意味を持つようになったこと、保存会の今後の活動に期待したいと話されました。

 長年城跡の現地調査にかかわってこられた中から、熊よけ・虫よけなど身を守るグッズや高低差のある木々の繁った山に入る苦労の大変さの一方で、最新のハイテク機器(携帯型レーザー距離計やGPS機器)の利用で現況把握と資料化が容易になったことなどのエピソードも披露され、大変興味深いものでした。

(2015年5月16日 社協広報部が取材しました)


岬の突端に位置する志摩市波切城跡 わが采女城跡




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