釆女町字北山に自生の木が1本あります。多分此の木も、どこかからか鳥が種を運んできたものでしょう。落葉低木で晩秋に黄色い皮が3つに割れて中から赤い種が見え、裸になった木立の中でよく目立ち、蔓は丈夫で左巻きに巻きつきます。風情のある実なので生花に使われます。
菰野町のシデコブシ自生地の谷にも幹回りが10cm位もある立派なツルウメモドキの木がありましたがシデコブシが天然記念物に指定され、周辺を整備したときに惜しくも切られてしまいました。この場合、里山の自然は天然記念物に指定されたシデコブシだけで成り立って居るわけではありません。多様な植物がお互いに競争し、共存して行く中で洪積世の時代からシデコブシも生き残ってきた歴史がありますから、シデコブシだけを大事にして他の木をバッサリ切ってしまうのは如何なものでしょう。
シデコブシの保護、保存の話をすると、そんなに大事な木なら遣るから持って行って公園にでも植えておけ、と言われます。問題はそうではなく、大昔から色々な環境の変化に耐えて今この地にシデコブシが生き残っている、その環境を大切にしてゆきたいということなのですがご理解を頂けない方もおられます。
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