スズカカンアオイ (鈴鹿寒葵) 「うまのすずくさ科
」
2009年3月16日
普通山道を歩いていても見落とすような、がく萼片の色も黒紫色で全く地味な草です、葉は10cm以下のハート型、濃緑に白い模様があります、花は冬、枯葉の下に半分土の下に埋もれた様に咲きますが花弁は普通退化して、花びらのように見えるのはがく萼片で3枚に分かれています、下は壷状で中に、雄蕊と雌蕊があります。スズカカンアオイは萼筒(がくとう)より萼片が長いもので、静岡、愛知、三重、長野に分布します。
カンアオイの名は冬でも葉が青々としていることと、花が11月から冬に掛けて咲くので付けられたものでしょう。 江戸時代に名古屋あたりでは、観葉植物のように葉の模様を楽しむために栽培されていたようで、当時の園芸の本に「黒牡丹」「摺墨」「石橋」などの名が出ているそうです。
種の散布の仕方も変わっていて、蟻に運んでもらうのです。 種子の横に、蟻が好む小さな粒(種枕しゅちん)が付いていて、蟻は種を巣に運びます、種は食べないので種枕を食べた後、種は巣の外へ捨てます、このような仕組みで種の散布を蟻に頼っているので繁殖の速さは遅々たるものだと思います。スミレも同じ様な仕組みで種を運んで貰い分布を拡げているものがあります。
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