スギ (杉) すぎ科 |
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2011年2月8日 |
1月も終わりに近かずきスギの雄花が随分膨らんでました。花粉症の方には鬱陶しい季節です。
スギ花粉症は私たちが子供の頃は話題になる様なこともなくスギ鉄砲を作って遊んだものです。なぜスギ花粉症がやかましく言われるようになったのでしょう。
一つには高度成長期に採算性の悪い多樹種の自然林を伐採し拡大造林と言ってスギ、ヒノキなどの大面積一斉造林が行われその木が30年~50年を経て大量に花粉を飛ばす時期になった事ではないかと考えられます。
スギ、ヒノキなど針葉樹は風媒花ですから虫に仲立ちをしてもらう虫媒花と違って大量の花粉を飛ばし風に乗って広く散布されますからどこででも花粉症になるおそれがあります。
スギは日本特産で幹は真っ直ぐによく伸び高さは45m、幹回りも6m以上、大変大きくなり、また長寿の木でもあります。屋久杉の中でも、縄文杉、大王杉などは樹齢3,400年を超えるといわれています。各地にその地名を付けた特産のスギがあり、ヤクスギ、オビスギ、ヨシノスギ、タテヤマスギ、キタヤマスギ、アキタスギなどは有名です。成長が早く建築材建具など用途が広いので植林にヒノキ、スギ、カラマツなどが植えられています。
ところで、日本特産といいましたが、静岡市の登呂遺跡では、潅漑用水の土止めにスギ板が使われていたとのことですが、弥生時代のこととて、そんなに遠くから材料を運んだとは考えにくい、とするとあのあたりにスギの自然林があったのではないかと考えられます。
また魚津の埋没林は、スギの自然林が片貝川の氾濫で埋没したものと言われていますから、古くから日本ではスギの自然林が各地に茂っていたと思われます。 図鑑ではスギ属は園芸品種を別にして1種になっていますが,生育環境の違いからでしょうか、アシュウスギまたはウラスギと呼ばれる仲間は、日本海側の多雪地帯に分布し、下枝が伸びて地面に着くと根を出して、別の木として成長します、親の木が枯れても、枝は別の木として成長します、これを枝条繁殖といい、太平洋側のスギでは見られない繁殖の仕方です。