シデコブシ (幣辛夷) もくれん科 |
2010年3月23日 |
以前は中国渡来と考えられ、牧野植物図鑑にもそのような解説と共に、本州中部に野生しているところがあると記述されています。しかし洪積世の地層から種子の化石が見つかったことから日本列島に古くから自生していたことが証明されました。コブシの変種ではないかといわれ、分布が岐阜県、愛知県、三重県に限られているので、貴重な種として自生地では「天然記念物」として大切に保護されています。
花は、桜の咲く頃、殆ど時期を同じくして咲くので、地元の人たちはサクラと間違えていたなんてことも有りました。花冠はがくと花弁の区別が難しく、枚数は12枚〜18枚とばらつきがあります、調べた中で多いのは21枚もありました。花色は東濃地方では白色が多く三重県では薄紅いろの花弁もあります。
生育地にも好みがあり三重県では、扇状地の末端、侵食した谷の斜面で、貧栄養で絶えず湧水のある、砂礫地で育っています。渥美半島の籐七原湿原やなぐさ椛湿原のシデコブシ自生地の地形と地質について小泉武栄先生は緩斜面で基盤のチャートが露出している貧栄養地で湧水のあるところ、そして稀に起こる洪水によって表土が洗われ現状になったのではないかといっておられます。
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