(オミナエシは2回目の登場です)
秋の七草の一つで植物図鑑には山野に生える多年草とありますが近頃野生のものは見たことがありません。今年は近年にない暑い日照りが続き困っていますが、やはり季節でしょうか畑の隅で一株のオミナエシが咲きました。オミナエシという名はオトコエシに対して全草が優しい感じであるところから付けられたといいます。
径3〜4mmの花を散房状に付けます、花の臭いは人によって感じ方が違いますが、芳香とはいえないでしょう。漢字では女郎花と書きますがこれは漢名ではないそうです。
むかし、小野頼風(おのよりかぜ)という男と契りを結んだ京の女が、頼風の無情を恨んで放生川へ身を投じたところ、その衣が朽ちて、女郎花を生じたという伝説(謡曲「女郎花」)が有ります。此のことからオミナエシは随分昔から日本に自生していたことになります。でも、身近なところで此のような野生の花が見られなくなるのは淋しい限りです。そう言えば、秋の七草のうちナデシコ、キキョウ、フジバカマ等も野生のものは見掛けなくなりました。ただ、ハギ、ススキ、クズは健在です。
女郎花の中に休らふ峠かな 高浜 虚子
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