キリ (桐) ごまのはぐさ科 |
2012年5月16日 |
この頃はあまり見かけなくなりましたがそれでもあちこちで淡い藤色の花が咲いています。筒状の花は子供たちが指先にはめてあそびました。切り株から出た芽の成長が早いのでキリと名付けられたということですが1年に1m以上も伸びます。
キリは成長が早く材は柔らかくて木目が美しいので箪笥など家具に使われます。昔は女の子が生まれるとキリを植えたそうです。年ごろになるまでには嫁入り道具の箪笥を作れるほどに大きくなりますから。
他に琴の胴や下駄の台によく使われます。昔は此のあたりでも下駄を作る「下駄屋」さんがあり、下駄の台にする桐材が塔の様に積み上げてありました。
下駄を見る事が少なくなったのは、道路の舗装と関係があると思います。どんな細い路地でも舗装されていますから下駄の歯が減って堪らないでしょう。また建物の床がなめらかに成っていますから下駄では滑る危険があります。でもカランコロンという駒げたの歯音は懐かしいものです。
牧野図鑑によると朝鮮の鬱陵島や北九州の山地に自生地があるそうですが原産地ははっきりしないということです。
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