カンヒザクラ (寒緋桜) ばら科 |
2011年3月8日 |
北小松の「真慧上人」の碑の近くにカンヒザクラがあります。中国、中、南部、琉球に分布とされていますからこのあたりに在るのは植栽品です。早咲の種類で、一月末から二月になると沖縄で開花のニュースが報じられます。
先日もテレビで報じられていたので、北小松へ見に行きましたら蕾が膨らんで薄く紅をはいていました。昨年は3月11日に咲初めていますからそろそろ開花するでしょう。
花は緋紅色で半開、下向きに咲きます。 サクラは、ばら科に分類されサクラ属、サクラ亜属に入る多数の変種、品種の総称です。サクラ亜属はヤマザクラ群、マメザクラ群、ミヤマザクラ群、チョウジザクラ群、エドヒガン群、カンヒザクラ群の6群に分けられ自生種10、自然交配種20、およびそれらの変種、雑種それらを親とした園芸品種を入れると300種にも及ぶとあります。
サクラ古くから日本の文化と精神風土に深くかかわってきた花木で、「お花見」といえば当然サクラの花を指します。それなら大昔からサクラが好まれたかというと万葉集では梅を読んだ歌が多いのですが新古今集では100種を超えるほどサクラが読まれています。平安時代にウメからサクラへと好みが変わったのでしょうか。
西行法師は「願わくは花の下にて春死なむ、そのきさらぎの望月のころ」と詠い、本居宣長は「敷島の大和心を人問わば,朝日に匂う山桜花」と詠っています。華やかに咲いてさっと散る、その風情が好まれたのでしょう。江戸時代には吉野山や御室の桜は別格としても、江戸周辺には沢山の花の名所がありました。しかしそのサクラも明治、大正、昭和の時代にはその散り際を「散華」と呼んで軍国主義と結び付けられてしまいました。決してサクラの本意では無かったのですが。
次にサクラの種類に少し触れておきましょう。
・ヤマザクラ群=サクラ亜属の中で種
類が多く沢山の園芸品種があります。ヤマザクラ、オオシマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラを母種として作られています。
・マメザクラ群=マメザクラとミネザクラガ有ります。
・ミヤマザクラ群=ほぼ日本全土の深山に分布しますが名の通り山の奥でひっそりと咲いています。
・チョウジザクラ群=チョウジザクラは花が小ぶりで熟した実は甘く食べられる。
・エドヒガン群=一般に長命で、早咲きなので古くから栽培されていました。シダレザクラはこの仲間です。コヒガンザクラは高遠城跡が有名ですが此れもエドヒガンの仲間です。
・カンヒザクラ群=ヒカンザクラ(緋寒桜)とも呼ばれますが(彼岸桜)と紛らわしいのでカンヒザクラ と呼ぶほうがよいかと思います。
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