ヘクソカズラ (サオトメバナ、ヤイトバナ) あかね科
2011年9月9日
林縁や荒れ地に生える多年生の蔓植物です。ツルは左巻きで蔓の途中に玉ができ、そこから根を出して広がるので庭などに入り込まれると厄介な代物です。葉は対生で三角形、葉の基部に合成托葉があります。草全体に悪臭が有ります、もっとも匂いは人によって違うらしく、匂いをかがせた子の中には(よいにおい)という子もいましたが少数派のようです。花は筒状で花冠の先は5裂、内側はえんじ色、外側は白でよく見るといい配色です。
近頃は学校で植物採集をあまりしなくなりましたが、以前は夏休みの宿題というと植物採集でした。お母さん方はヘクソカズラの採集をすると3度顔をしかめると言いました。一つはその名前です、よい名前とは思えません。二つ目はその匂いです。三つ目は押し葉にした後です、どんなにせっせと紙を変えても、出来上がった押し葉は黒くなって期待外れの作品になってしまいます。3回顔をしかめる所以です。
ヤイトバナの名の由来ですが、子供の頃花を取ってちょいと唾をつけて鼻の先や手や指先につけて遊んだものでそれが名の由来だとおもって居ます。「ヤイト」の意味が分からない? お灸の事ですよ。患部へ艾(もぐさ)を載せて火をつけその熱で治療する漢方医療の事です。万葉集にはクソカズラの名で詠まれていると云うことですがやはり頂けません。サオトメバナも花の形を早乙女の笠に見立てたとのことですが似つかわしくないように思います。
ページトップ
前のページに戻る