ゲンゲ (レンゲソウ・ゲンゲバナ) まめ科 |
2011年5月2日 |
昭和20年代までは春の野面はナノハナの黄色、ムギの緑、ゲンゲの紅紫色の三色に彩られてとても綺麗でした。
ゲンゲは緑肥として作られていました。マメ科の植物ですから根瘤バクテリヤと共生して空気中の窒素を固定するので肥料植物として栽培されていたのです。
ゲンゲを肥料にするのには一つはそのまま田に鋤きこむ方法と刈り取って干し草として使う二つがあります。
干し草にするのは手間がかかることと貯蔵場所がいること、また生で田に鋤きこむと発酵して肥料になるのに時間がかかり、田植えが早くなった今では肥料として利用しにくくなったこと、などからゲンゲ栽培は少なくなってしまいました。たまに少しのゲンゲ畑を見ることはありますが今では昔逃げ出したものが休耕田などに生き残っているのを見ることができる程度です。子供の頃ゲンゲの花束を作ったり首飾りにしたり、はてはゲンゲの上を転げまわってお百姓さんに叱られたり、思い出は沢山ありますがもうそんな遊びは出来ません。
ゲンゲは中国原産の越年草で緑肥のほか蜂蜜もとれました。またレンゲソウとも呼ばれますが此れは蝶型の花が7〜8個並んで放射状に咲く形がハスの花が開いた形に似ているとか、仏像の蓮華台に準えてレンゲソウと呼ぶのだそうです。
ゲンゲは中国名「翹揺ぎょうよう=軽く飛び上がるさま」の音読みから由来したものと言われています。
げんげ田に寝て白雲の数知れず 大野 林火
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