ガマ            がま科         
2011年9月13日

 水辺や湿地に生える植物、高さは2mくらいまで伸びます。丸い棒のような茎の先に7月ごろ花を着けますが、下が雌花、続いてすぐ上に雄花をつけます。雌花は淡緑色、雄花は黄色です。花粉が沢山出るので集めて傷口の止血に使うことも有ります。雄花は花粉を散らすと間もなく散ってしまいます。残った雌花は8月も終わりに近づくと茶褐色の棒状になり、丁度ソーセージを割り箸に突き刺したような格好になり、晩秋に風に乗って種は散らばります。
種には長い綿毛が沢山ついているので遠くまで種を飛ばすことができるのです。昔は、これをほぐして綿の代用にしたと言います。

 ガマにはガマ、コガマ、ヒメガマがありますが、ヒメガマは雄花と雌花の間が空いているのでよく判りますが、ガマとコガマは草の大小で判断するか、顕微鏡で花粉を調べるとわかります。

 ガマは日本に昔からある植物で、古事記の大国主の神の説話に「稲羽(因幡)の白ウサギ」の事が書かれています。この伝説は昔の小学校の教科書に載せられていて、確かサメの上をウサギが跳んで渡る挿絵があったように思います。説明ではウサギはワニ(和邇)の上を踏んで数えて渡り、最後に、私は、お前さんたちを騙してやった,といったので、ワニ(和邇)が怒ってウサギを捉え赤裸に皮をむいたということでした。

 長くなるので端折りますと、大国主の神は傷を治すのにガマの穂を敷いて転がれと教えてやったとの事でしたが、子供心に赤裸にむかれたウサギがガマの穂を集めるのには大変な苦労をしたことだろうと、心配しました。


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