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内部地区人権啓発集会が開催されました

 2月15日(日)内部中学校において「内部地区人権啓発集会」が開催されました。当日は、女性講談師一龍斎春水さんによる「金子みすゞの生涯」と題する講談があり、子どもから大人まで約120人もの人が参加、1時間半に及ぶ熱演に心打たれました。
 
  一龍齋春水さんは、声優として活躍する傍ら、40歳にして講談に触発され、人間国宝一龍齋貞水に入門、懸命な努力の甲斐あって僅か12年で真打ちを極めた講談師です。乙武洋匡さんの「五体不満足」を読んで勇気づけられ、女性の立場で現代社会に有意義な講談を語りたいと、金子みすゞの生涯にも目を向けて講談を創作、全国で公演を続けておられるものです。15日の啓発集会では、先ず声優としての名演の一端が披露され、「宇宙戦艦ヤマト」や「おばけのQ太郎」の登場人物の声で会場を沸かせました。

 そして、本題の金子みすゞの語りに入り、有名な詩「私と小鳥と鈴と」や「大漁」の朗読から始まり、26歳の若さで生涯を終えるまでに512編もの詩を詠んだ金子みすゞの生涯が、熱い口調で語られました。

  山口県で生まれ幼くして父を亡くした金子テル(みすゞの本名)は、母の実家である下関へ母と共に移り、23歳で結婚、一児を産みましたが夫との不仲に悩み、幼子と詩作が楽しみの日々でした。西条八十に激賞された詩も無理解で酒乱の夫から禁止された上に、テル自身が病に倒れ、離婚を決意。

 幼子の親権を巡る紛争から、実母に子どもの行く末を託して自らの手で26歳の数奇な短い生涯を終えたのでした。自然と共に生き、小さな命を慈しみ、優しいまなざしでみつめ、言葉を編んで詠い続けた金子みすゞ。その気持ちが一龍斎齋春水さんの切々たる語りで紹介され、会場の皆さんは金子みすゞの心に思いをいたし、大きな感銘を受けました。アンケートにも大半の出席者から「大変感動を受けた」という絶賛の感想が寄せられました。

  内部地区では、平成26年度も幾つかの人権講座や懇談会が開催されましたが、年度のフィナーレを飾るにふさわしい、心打たれる有意義な人権啓発集会となりました。内部地区人権教育推進協議会は発足以来満15年になりますが、平成27年度も引き続きこうした人権啓発活動を行い、一人ひとりの人権意識の向上が図れるよう努めていきたいと思っております。皆様の積極的なご参加をお願いいたします。

















(2015年2月15日 内部地区人権教育推進協議会より情報提供がありました)




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